ネイリストも憧れる妻で幼馴染のまどかを支える為にサラリーマンを退職し、専業主夫として子育てすべてをやってきた松永 雄二は、20歳・21歳・22歳の男ばっかりの大学生と一緒に家のリフォームについて話し合っていた。

その理由は、良くも悪くも妻のまどかがもたらす収入によって松永家は安定していたが、大学生の子どもたちは夢もなく、なりたい職業が見つからず、しばらく家からでないことがあうんの呼吸で通じ合っていたが、30年前に建てた木造住宅がどこもかしこも悲鳴を上げていたからだ。

もっとも雄二を悩ませていたのが、『誰に相談すればいい？』ということであった。

友人・知人がいなくても、今の時代はネット検索すれば色々出てくるのはわかっているが、調べているうちに多すぎてよくわからなくなってくる。。。トイレやお風呂などきれいにしたいけど、営業の人と話すのではなく、その道のプロ。リフォームの専門家に一度見てもらいたいと考えていた。

そこで雄二はこのことを【リフォームの専門家探しゲーム】と名付けて３人の息子たちを巻き込んで探させることを提案したのである。

雄二が息子たちを巻き込んだのには自分が楽をしたいというのもあるが(笑)、リフォームを通じて３人の息子たちの成長の場になればいいと考えていたからであった。

ルールは簡単。

早ければいいものではなく、誰がもっとも素晴らしい提案をしてくれるリフォームの専門家を連れてこれるか？競うものであった。

それを聞いた長男の一樹が、【リフォームの専門家　地域検索】とネット検索したいくつかの中で気になった、『自分の力が人の役に立っていると実感が得られる世界を実現』と書いてあった『ビジネスSNSイッツヒーロー』というページにたどり着いた。

実は毎日スポーツジムに通う一樹が『ビジネスSNSイッツヒーロー』が気になった理由は２つある。

１つは
【リフォームの専門家探しゲーム】に勝つためということ。

そしてもう一つが『自分の力が人の役に立っていると実感が得られる世界を実現』というのが、大学４年生で就職が決まらず自分探し真っ最中の一樹にとって、何か見つかるんじゃないか？と期待される内容を見かけたからである。

さっそく一樹はメールアドレスと携帯電話の番号登録を済ませ、『イッツヒーロー』の無料アカウント作成に取り掛り、『専門家検索機能』を使ってみた。

『I‘tHERO』の専門家検索機能は、都道府県で絞り込めたり、調べたいキーワードであいまい検索されるようなので、さっそく一樹は『埼玉県　住宅　リフォーム』で絞り込んでみた。

さすがにビジネスSNSというだけあって、仕事を獲得しようと頼りがいのある写真や、目を引く動画が自己プロフィールに掲載されている人が多かったのだが、勝負に勝つためにどうしても一樹が、こだわったもう一つのポイントが、『経験年数』であり、若手の営業マンに見てもらうのではなく、その道のプロと出逢いたかった。

何百・何千とあるリフォーム会社の中で働く、実務経験10年以上の人だけを絞り込み連絡を取るなんて、恐ろしく気が遠くなるほど時間がかかるだろうと思っていた一樹であったが、『イッツヒーロー』の専門家検索機能では、『経験年数』を10年以上で簡単に絞り込めたため、あっけなく抽出できてしまった。。。

抽出された専門家の『安藤　祐樹』さんにつながり申請と共にチャットで声をかけてみた。

安藤さんに声をかけたのは、安藤さんのプロフィールに、
『自分が通う同じ大学出身（先輩）』であったこと。

『リフォーム会社の社長』であって面白そうな話が聞けそうだったこと。

一番の決め手は
Facebookで『安藤　祐樹』さんを調べて発信内容を確認していた時に『効率的な筋トレを教えてくれる人いないかなぁ』と書いてあったのがその決め手である。

そう。毎日スポーツジムに通う一樹が祐逸、自慢できることは筋肉のことでは誰にも負けない知識と経験を持つ『筋肉オタク』ということだったのだ。

一樹以外の息子たちが呼んだリフォーム会社は

　初回：営業マン来訪
２回目：恐らく親方に下見してこいと言われた中堅が
　　　　なんで俺が・・・と思いながら営業と同行で
　　　　やってきた。

という感じだったが、一樹がつながった安藤さんの提案には誰もが首を縦に振ることしかできず、【リフォームの専門家探しゲーム】は、一樹の圧勝で終わった。


安藤さんと契約を済まし、お茶を振舞いながら談笑していた際に一樹が

安藤さんを『イッツヒーロー』の専門家検索機能を使い、
『埼玉県　住宅　リフォーム』『経験年数を10年以上』で絞り込み、地域検索が有効であったことや、同じ大学に通っていることを伝え、話が盛り上がってきたところで、

Facebookで
『効率的な筋トレを教えてくれる人を探している』ことを見かけて声をかけたことを打ち明けた。

その結果、一樹が職員でもないのに『トレーナー』として行きつけのジムに一緒に行くことが決まったのであった。

その光景を目にしていた【リフォームの専門家探しゲーム】の仕掛け人の雄二は、キラキラ目を輝かせている一樹を見て、任せて良かったと思ったと同時に、短期間で大きく成長した一樹の成長に感動していた。

数日後、約束通り行きつけのジムに安藤さんを招待し、顔馴染みのスタッフに『今日、トレーナーになるんだって？よろしく頼むよ』と笑顔で声を掛けられながら受付を済ませていた。

一樹は事前にジムのスタッフ達と『ビジネスSNSイッツヒーロー』のつながりグループを組んでおり、今日のことをすでに話をしていたのである。

そんな『トレーナー』のまね事をしていた一樹であったが、これまでにない高揚感に包まれていた。

安藤さんが自分が伝えたように反応してくれることも嬉しかったのだが、なにより『あぁ。これ自分の役割だ』と心の底から感じ取れていたからである。


数年後、一樹の『イッツヒーロー』のプロフィールを見てみると、勤務先にジムの店舗名が明記されており、

筋肉プロトレーナー　松永　一樹　と書かれていた。