ビジネスチャットの機能と注意点

2023.02.24

ビジネスチャットとは?導入メリットや注意点を解説

従来、企業が取引先に連絡をおこなったり、社内で情報共有したりする手段といえば、電話やメールが一般的でした。

しかし、電話であれば相手がかならず出られるとは限らず、口頭では聞き間違いが発生したり、メールであれば閲覧し忘れや見落としなどが発生するなどの問題がありました。

このような問題を解決でき、スムーズにやり取りができる手段として、最近はビジネスチャットを導入する企業が増えてきています。

今回は、ビジネスチャットとはどのようなツールなのか、導入した場合のメリット、注意点などまとめて解説いたします。

ビジネスチャットとは

ビジネスチャットとは、社内外との業務連絡や交流を円滑におこなえるように開発された、ビジネス用のコミュニケーションツールです。

個人用のチャットといえばLINEなどが挙げられますが、ビジネスチャットはビジネスでの利用を前提とし、業務に特化した機能が充実しているため、業務効率の向上に有効です。

また、機密情報を含むやり取りをすることも想定した、セキュリティレベルの高いもの、大容量のデータを保管・共有できるものなど、さまざまなサービスがあります。

【ビジネスチャットの主な機能】


ビジネスチャットには、主にどのような機能が搭載されているのかをご紹介いたします。

チャット


ビジネスチャットの基本機能です。通常、メールで業務連絡をおこなう場合、宛先を選ぶかメールアドレスを入力して、挨拶や本文など一定の形式で作成する手間があります。

しかし、チャットは送信したい相手の個人チャットに直接要件を入力すればよいため、メールよりも手軽にメッセージを送信できます。

チャット名やメッセージ内容をキーワード検索する機能もあるため、過去の会話も検索でカンタンにさかのぼり、確認できます。

会話の一部を引用したり、別のチャットのリンクも添付したりできるため、別の会話を確認してのやり取りもしやすいです。

グループ作成


タスクや案件、部署ごとにグループを作成し、指定したメンバーのみでグループチャットをおこなうことができます。

グループチャットでも通常のチャットと同じ機能をそのまま利用できるほか、全員宛て、特定のユーザー宛てなど相手を指定して話しかけられます。

ファイル共有


業務で利用するワード、エクセルなどのデータや、画像、PDFといったさまざまな種類のファイルを添付してメンバーに共有できます。

ビデオ/音声通話


Web会議に便利なビデオ・音声通話の機能が利用できるものもあります。1対1だけでなく、複数人での会話も可能です。

【ビジネスチャットの普及率】


2020年、日経BPコンサルティングが同社保有の調査モニター2319人を対象に実施したアンケートによれば、企業のビジネスチャット普及率は以下のような結果になりました。

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引用:Biz Clip「企業のビジネスチャット利用実態調査2021」

これによれば、「導入している」と答えたのは43.0%、「導入予定なし」が37.6%と、導入企業が全体の4割以上でした。

従業員規模別に見ると、99人以下の企業では16.5%であるのに対し、1万人以上の企業は73.0%と、従業員数の多い企業ほど導入比率が高いことが分かっています。

チャットのほうが多人数での会話もしやすく、グループチャットやWeb会議も使えるため、従業員数の多い企業であるほど、導入の恩恵も大きいといえるかもしれません。

ビジネスチャットを導入するメリット

ビジネスチャットを導入した場合、業務上どのようなメリットを得られるのかをご紹介いたします。

【業務効率化】


ビジネスチャットは会話形式で手軽に送信できるため、メールの作成で長文を打ったり、複数人に大量送信したりする手間がなくなり、時間を大幅に削減できます。

インターネット環境さえあれば、移動中や社外にいてもすぐ送信できるため、情報共有や意思決定のスピードも向上します。

さらに、ファイル共有やタスク管理など便利な機能も充実しているため、チャット上で多くの業務を管理・完結でき、あらゆる場面において効率を高められるでしょう。

【コミュニケーションの活性化】


ビジネスチャットは手軽にメッセージを送信できるため、電話やメールよりも質問や相談などがしやすく、社内外でのコミュニケーションの活性化に効果的です。

また、メールのようにかしこまった文体である必要もなく、絵文字機能などもあるため、よりラフに交流を深めやすいことでしょう。

情報共有もしやすいため、伝達の抜けや漏れも起こりにくくなり、結果的に会議に要する時間や手間の削減につながる可能性もあります。

【誤送信・情報漏洩の対策強化】


メールの場合、たとえば宛先のメールアドレスの入力ミスや、BCCとCCを間違えるなどして、誤送信により情報漏洩をしてしまうリスクもあります。

その点、チャットは相手の個人チャットに直接、もしくはグループチャットで相手を指名して話しかければよいため、誤送信も起こりにくいです。

また、グループチャット機能を利用すれば、特定のメンバーに限定してグループを作成したり、権限を付与したりできるため、漏洩対策の強化にも有効です。

【多様な働き方への対応】


ビジネスチャットは、インターネット環境さえあればブラウザやアプリから、どこにいてもメッセージの送受信や確認がおこなえます。

近年、働き方改革や新型コロナウイルスの流行から、テレワークの導入企業も増加していますが、従業員同士が別の場所にいても、いつでも会話できるのが強みといえるでしょう。

さらに、過去の会話をさかのぼって確認もできるため、自分が業務時間外で参加していなかったチャットであっても、ログから業務の状況を把握しやすいです。

ビジネスチャットを導入する際の注意点

では、ビジネスチャットを導入する場合にはどのような点に注意すべきかについても解説いたします。

【導入目的を明確にする】


ビジネスチャットには多くのメリットがありますが、導入を検討している場合、なぜ導入したいか、導入により社内のどの課題を解決したいのか、明確にすることも重要です。

目的を明らかにしないまま突然、ビジネスチャットを導入すると通達しても、社内で混乱を招きかねません。

また、ビジネスチャットのサービスによっても機能が異なるため、目的を明確化し、それを解決できる機能の搭載されたものを選ぶのがおすすめです。

【運用ルールを定める】


とくにルールを定めないまま各々が自由にチャットを利用してしまうと、情報共有の方法やデータなどがバラバラになり、業務効率を下げる原因になりかねません。

そのため、たとえばどのチャットでどのように情報共有をおこなうのか、データはどこに格納するのか、など運用ルールを定めておくとよいでしょう。

また、チャットはいつでも送受信をおこなえるツールですが、オンオフを切り替えるために「個人的な会話はしない」「業務時間内のみの利用に限る」などのルールも設けるのがおすすめです。

【社内教育を行う】


ビジネスチャットは感覚的に操作できるものが多いですが、不慣れな従業員もいる可能性があり、使い方が分からないと利用されないおそれもあるため、利用に際して社内教育の実施も必要です。
研修や説明会を開催することはもちろん、しっかり活用できているか確認するために活用状況をヒアリングしたり、操作に関して質問しやすい体制を整えたりするとよいでしょう。

ビジネスチャットのベンダーによっては、ベンダーが説明会を開催している場合もあります。

まとめ

このように、ビジネスチャットは業務に便利な機能が充実しているため、利用により業務効率を向上し、社内のさまざまな課題を解決する効果に期待できます。

企業によっては新しいツールの導入に抵抗があったり、従業員が活用できるか不安だったりして、導入するか悩んでいる場合もあるかもしれません。

ビジネスチャットのなかには、無料プランやトライアル期間を用意しているものもあるため、試しに利用してみてから考えるのもよいかもしれません。

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