WordPressで会員サイトを構築しよう

2023.04.10

WordPressで会員サイトを構築するメリットと注意点

WordPressはデザインやカスタマイズの自由度が高く、特別な知識がなくてもある程度のWebサイトを制作できるため、国内外で多くのユーザーが利用しており、高い人気を誇ります。

WordPressには拡張機能を追加できる仕組みがあり、これによりサイトにさまざまな機能を搭載できるため、会員サイトの構築に使われるケースも多いです。

今回は、会員サイトをWordPressで制作した場合になにを実現できるのか、そのメリットや注意点などまとめてご紹介いたします。

WordPressの会員サイトでできること

WordPressで会員サイトを制作した場合、どのようなことを実現できるのかご紹介します。

【コミュニティの作成】


会員サイトとして運営側が会員に情報やコンテンツを発信するだけでなく、会員同士が情報交換できるコミュニティの作成も可能です。

コミュニティがあれば、利用のために会員を継続するユーザーが増加したり、有益な情報の蓄積によりサイト自体の価値が向上したり、といった効果にも期待できるでしょう。

コミュニティの作成には、WordPressのプラグインと呼ばれる拡張機能を追加することにより、掲示板やSNSといった機能を追加できます。

【会員限定コンテンツの提供】


WordPressでは、会員サイトにログインしている状態のユーザーのみ、限定コンテンツを閲覧できるように設定することもできます。
また、無料会員と有料会員など、会員を複数のグループに分類して、それぞれ利用できるコンテンツを切り替えることも可能です。

会員限定コンテンツの提供により、会員になる優位性があれば、さらに会員数の増加を促すこともできるでしょう。

【有料コンテンツの配信】


限定コンテンツの提供と同様に、料金を支払った場合にのみ閲覧やダウンロードできる、有料コンテンツの配信も可能です。

限定公開の記事はもちろん、動画や画像、音楽といったさまざまなコンテンツの販売ができます。

コンテンツの販売には、PayPalやStripeといったオンライン決済機能と連携できるプラグインの利用が一般的で、サブスクリプション形式に対応できるものもあります。

WordPressで会員サイトを作るメリット

では、WordPressで会員サイトを制作するとどのようなメリットがあるのか、解説いたします。

【コストを抑えられる】


通常、サイト制作を制作会社に外注すると、サイトの規模や内容にもよりますが、最低でも10万円~という費用が必要になります。

しかし、WordPressは構築に基本的な知識は必要なものの、サイトのデザインは「テーマ」と呼ばれるテンプレートから選ぶだけで形になり、記事投稿など基本機能はすぐに利用できます。

WordPressでサイト構築した場合の費用の目安


■サーバーレンタル:初期費用 0~3,000円+月額500~1,200円
■独自ドメインの取得:年額0~3,000円
■テーマの購入:無料多数、有料テーマ10,000~50,000円
サーバーレンタルやドメイン取得に費用はかかりますが、これは通常のサイト構築であっても必要になる費用です。

WordPress自体の利用や基本機能は無料で利用できるため、1からサイトを制作するよりずっとコストを抑えられます。

【プラグインを使うことで専門知識がなくても構築できる】


WordPressには、プラグインと呼ばれる拡張機能を追加できる仕組みがあります。これを利用することで、サイトにより便利な機能やツールを付加できます。

プラグインは、たとえば予約機能やフォームを設置できるもの、サイトのデザインを変更できるものなど数多くの種類があり、カンタンに追加・実装が可能です。

1からサイトを構築した場合、このような機能の実装にはプログラミングなどの知識が必要ですが、プラグインなら高度な知識は必要ありません。

また、プラグインには無料と有料のものがありますが、無料でも十分に優れた機能をもつものも多いため、カスタマイズのハードルが低いのも魅力です。


WordPressで会員サイトを作成する際の注意点

WordPressで会員サイトを作成する場合に、注意したいポイントもあります。どのような部分か解説いたします。

【セキュリティ対策を徹底する】


会員サイトを運営する場合、サイバー攻撃によるサイトの改ざんや乗っ取り、会員の個人情報の漏えいといったリスクにも備える必要があります。

このような被害を防ぐためには、次のような対策の実施をおすすめします。
■WordPress、プラグインは最新バージョンにアップデートする
■会員登録を管理者の承認制にする
■海外からのアクセスを禁止する
■ログインや投稿の際に画像認証やメール認証を設け
■管理画面のURLを利用者が推測できないものにする

【ユーザーの権限付与を適切におこなう】


管理者 WordPressのすべての操作が可能
編集者 記事管理、コメント承認などのコンテンツ操作が可能
投稿者 記事の投稿、公開が可能
寄稿者 記事の投稿(下書き)のみが可能
購読者 記事の投稿(下書き)のみが可能

ユーザーが会員登録する際、付与する権限の設定を誤ると、コンテンツの改変など重大なトラブルが発生するおそれもあるため、各権限を理解したうえで、適切に付与するようにしてください。

【ユーザー同士のトラブルを防ぐ仕組みづくり】


コミュニティ機能は会員同士の交流が図れるのが最大のメリットですが、これによりトラブルになる可能性も生じます。

事前にコミュニティの利用に関するガイドラインを作成しておいたり、場合によっては投稿の監視、削除対応といったサポート体制も用意したりするとよいでしょう。

WordPressで会員サイトを作る前の事前準備

WordPressで会員サイトを作る場合、事前にどのような準備が必要なのかもご紹介します。

【会員サイトの目的を決める】


まず会員サイトを作成するにあたって、その目的と方向性を決定します。目的としては、たとえば次のようなものが考えられます。
■会員登録したユーザーのみが利用、閲覧できるサイト
■会員のグレードごとに利用できるコンテンツの異なるサイト
■会員同士でコミュニケーションを図れるサイト
■運営者と会員が交流できるサイト

【必要な機能を洗い出す】


前述のように、WordPressはプラグインを追加することでサイトにさまざまな機能を付加できます。

会員サイトの目的や方向性を決定したら、自ずとサイトにどのようなコンテンツが必要なのか、どのプラグインを導入すればよいかが見えてくることでしょう。

プラグインは無料版でも数多くの種類が揃っていますが、有料のものもあるため、必要以上にインストールして使わないことにならないよう、必要なものを吟味してください。

WordPressでの会員サイト構築におすすめのプラグイン8選

WordPressで会員サイトを制作する場合、どのようなプラグインを入れると便利なのか、おすすめを8種類ご紹介します。

【WP-Members Membership Plugin】


WordPressに会員機能を追加できる基本無料のプラグインです。日本語に対応しており、おもに以下のような機能があります。

■会員登録ページを作成可能
■コンテンツの制限、非表示切り替え
■会員登録時に運営者に通知
■拡張機能によりPayPal支払いにも対応可能
■ブラックリスト機能あり
■ショートコードによるカスタマイズ可能
WP-Members Membership Plugin

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【Simple Membership】


サイトに会員機能の課金機能を実装できる、有料会員サイトに適した無料プラグインです。管理画面が日本語に一部対応しています。おもな機能は以下のとおりです。

■会員をグループごとで分類可能(無制限)
■PayPalやStripeとの連携
■reCAPTCHAの導入
Simple Membership

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【Ultimate Member】


会員ごとに細かな権限設定ができ、コミュニティ機能を設けられる基本機能が無料のプラグインです。以下のような機能があります。

■会員登録やログインなど各フォームのカスタマイズが可能
■会員ごとに細かな権限の設定が可能
■コミュニティ機能が実装可能
■ユーザーのプロフィールなどカスタムフィールドの設定が可能
Ultimate Member

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【Groups】


会員サイトにユーザー権限だけでなく、グループ単位でのコンテンツの制御を設定できる無料プラグインです。おもな機能は以下になります。

■会員をグループごとで分類可能(無制限)
■グループごとに利用できるコンテンツを制御
■コンテンツの一部、または全部の制限が可能
■専用のショートコードで詳細設定が可能
Groups

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【ProfileGrid】



有料コンテンツの配信や、SNSのようなコミュニティ機能の実装に便利なプラグインです。会員によるレビュー、口コミ機能のあるECサイト構築にも適しています。

■会員をグループごとで分類可能
■会員へのメール配信が可能
■コンテンツの販売が可能
■会員によるコンテンツ投稿が可能
■WooCommerce、bbPressと連携可能
ProfileGrid

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【WP Private Content Plus】


コンテンツの公開や制限がおこなえる基本無料のプラグインです。サイト自体を原則非公開としても運営することもできます。

■サイト全体の閲覧制御が可能
■特定コンテンツの閲覧制御も可能
■ゲストのアクセスを特定ページへリダイレクト可能
■WordPress管理画面の各種メニューへの閲覧制限が可能
■有料版でWooCommerceと連携可能
WP Private Content Plus

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【Theme My Login】


プラグインをインストールするだけで、以下の機能が自動生成される、初心者向けのプラグインです。

■会員登録画面
■ログイン/ログアウト画面
■会員登録時に運営者に通知
■確認、認証メールの送信を自動化

基本機能のみのシンプルなプラグインのため、より複雑な機能を実装したい場合はほかのプラグインと併用するとよいでしょう。
Theme My Login

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【BuddyPress】


SNSのような会員サイトの構築に便利な機能が充実したプラグインです。BuddyPressでは、会員制コミュニティに以下のような機能を実装できます。

■フレンド機能
■いいね機能
■作成
■グループ作成
■会員用ブログの作成
BuddyPress

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まとめ

WordPressで会員サイトを制作した場合、以下の2点が大きなメリットになるとご紹介しました。

■コストを抑えられる
■プラグインを使うことで専門知識がなくても構築できる

会員サイトを1から構築するとなると、制作の費用が大きくなりがちですが、WordPressであればコストを抑えて自分である程度サイトを形にすることもできます。

できるだけコストを抑えてサイト構築をしたい、さまざまな機能を実装できる拡張性が欲しい、といった場合はWordPressで構築されることをおすすめします。

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2023.02.24 コラム

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