会員制ビジネスとは

2022.06.07

会員制ビジネスとは?メリット・デメリットと始め方

特定のユーザーに対して効果的なマーケティングをおこなったり、既存顧客にリピーターとなってもらったりするのに有効な手法が、会員制ビジネスです。

会員制ビジネスは、ユーザーを会員として囲い込むことで、運営上のさまざまなメリットを得られます。

では、会員制ビジネスとは具体的にどのようなものか、デメリットはあるのか、などまとめて解説いたします。

会員制ビジネスとは

会員制ビジネスとは、顧客に会員登録をしてもらい、サービスを提供するビジネスです。会員制ビジネスの例としては、次のようなものが挙げられます。

  • 会員制飲食店
  • フィットネスクラブ
  • コーチやコンサルタント
  • ECサイト
  • メールマガジン会員
  • ファンクラブ

いずれにしても、顧客が会員登録することでコンテンツを利用できる、必要な情報を入手できるなど、会員限定の恩恵を得られることが大前提で成り立つビジネスです。

会員登録してもらえば顧客を囲い込むことができるため、最近は飲食のみならず美容、小売などさまざまな業種において会員制ビジネスが展開されています。

会員制ビジネスの種類

会員制ビジネスは、おもに次のような5種類に分類できます。

  • コミュニティ型
  • 情報提供型
  • 商品提供型
  • 人的サービス型
  • 店舗・施設型

これらはまったく別の存在ではなく、1つのビジネスが複数に当てはまる場合もあります。たとえば、フィットネスクラブは人的サービス型ですが、店舗・施設型でもあります。

1つの型に特化したサービスとするのはもちろん、複数の型を融合した独自のサービスとして競合と差別化するのもよいでしょう。

では、会員制ビジネスの種類について具体的に解説いたします。

  

コミュニティ型


コミュニティ型とは共通の趣味、目的をもった者同士を集めて展開するビジネスです。たとえば、以下のようなものが当てはまります。

  • 芸能人のファンクラブ
  • オンラインサロン
  • クラウドファンディング
  • 共同購入サービス

会員同士の交流の場であり、また会員限定の先行販売や限定商品の提供など、「情報提供型」「商品提供型」としても展開できます。

コミュニティ型は顧客の「興味のあるもの」ということで会員を集めやすいともいえますが、継続的に大きなメリットを提供しにくく、会員の入れ替わりも激しくなりやすいです。

そのため、日々新たな商品やサービスを提供し続けたり、定期的にアンケートを実施して改善していったりすることで会員を継続したいと思わせる工夫をしていくことが重要となります。

  

情報提供型


情報提供型とは、有料メールマガジンや動画配信サービスなど、会員限定で有益な情報やコンテンツを提供するビジネスです。

専門的なスキルやノウハウ、会員だけに特別な情報を配信していくことで価値を感じてもらうことができます。

月額数百円というビジネスが多いため、1人あたりの収益は少額ですが、安価なため気軽に登録してもらいやすく、会員数が増えれば大きな収入源となりえます。


商品提供型


商品提供型とは、顧客の求める商品を提供するタイプのビジネスです。会員登録は無料で商品の販売により収益を獲得する形態が多いです。

レンタルサーバーやウォーターサーバー、カーシェアや各種サブスクリプションサービスもこれにあたります。

あわせて、会員限定のクーポン配信や新商品の情報配信など、情報提供型としての面をもつ場合もあります。


人的サービス型


人的サービス型とは、専門知識をもつ人間が会員に対してそのノウハウを伝授したり、アドバイスしたりするビジネスのことです。

コンサルタントやコーチ、カウンセラーなどがこれにあたり、専門性が求められるため、サービス提供者が資格や実績を有する必要がありますが、長期的かつ高額な収益になりやすいです。


店舗・施設型


店舗・施設型とは、たとえば会員制バーや会員制ゴルフ場、スポーツクラブやレンタルスペースなど、店舗や施設といった場所の利用に紐づく会員制ビジネスです。

施設の利用だけで会員を維持するのは難しい部分もあるため、会員特典を用意したり、インストラクターによる人的サービスを用意したり、付加価値をつけるのもよいでしょう。

設備の維持メンテナンスや固定費など、運営費用がもっともかかるビジネスのため、この部分を問題なく賄える、継続的な収益を得ることが重要です。

会員制ビジネスのメリット

会員制ビジネスは、顧客を会員として抱えることで次のようなメリットを得ることができます。


安定した収益が得られる


有料の会員制ビジネスであれば、会員数に応じて毎月決まって安定した収益を得られます。

この収益は会員がいる限り継続的に得られるため、商品の仕入れや生産、開発などの計画的な投資にも活用できます。

また、毎月の売上目標に追われることもないため、精神的なゆとりにもつながります。


マーケティングしやすい


会員制ビジネスは、会員登録の際に氏名や性別、住所、趣味といった個人情報を得られるため、このような属性情報をもとにマーケティングをおこなえるのも大きなメリットです。

さらに、利用しているサービス、どの時期にどの商品を何回購入しているのか、などの情報も把握できます。

これにより、特定の属性に絞って売れ筋サービスを勧めたり、購買情報をもとに同様の時期に商品を勧めたり、といった効果的な戦略を立てることができます。


良質な客が集まりやすい


近年、飲食店における予約の無断キャンセルや理不尽なクレームが問題化しているように、会員登録のない顧客は個人情報を明かす必要もないため、無責任な場合があります。

その点、会員制ビジネスでは会員登録の際に情報を提供しているだけでなく、会費を払って利用している場合はとくに、自分が損をするため無断でキャンセルなどはしません。

このため、サービス提供側と会員がギブアンドテイクの対等な関係性となり、良質な客となってくれるのです。


顧客とコミュニケーションがとりやすい


アンケートや座談会、交流会の実施など、顧客とコミュニケーションを図りやすいこともメリットです。

このようなコミュニケーションを通して、会員の求めるものはなにか、不満に感じている点はなにかを聞き出すことで、サービスの改善に役立てることができます。

会員としても、自分の意見を積極的に取り入れてくれる魅力的なサービスであれば、会員を継続したいと感じられるはずです。

会員制ビジネスのデメリット

会員制ビジネスをおこなう際、運営上のデメリットといえる部分もあります。

  
 

会員維持と新規集客の両立が大変


会員制ビジネスは、当然ながら会員を増やすほど収益を増やすことができるため、会員を増やしていくことはもちろん、減らさないようにする努力も非常に重要です。

顧客としては、せっかく会員登録しても金額と価値が見合わなかったり、コンテンツ不足だったり、登録を継続する価値がないと感じれば、退会してしまう可能性があります。

また、売上を増やすには、新規会員を増やしていく取り組みも重要です。このように、安定的に収益を得るためには会員を維持し、新規会員も増やす、両方の施策が必要となります。

最初に設定していた会員特典だけでは、しばらくすると飽きられる場合もあるため、会員の声を積極的に聞き、続々と魅力的なコンテンツを提供していくことが重要です。

 

会員管理が大変


会員制ビジネスは、会員管理も重要な業務です。会員管理とは、たとえば登録者をリストに追加する、会費の集金、登録の理由や購入履歴の把握、などが挙げられます。

手動で管理する場合、登録フォームから情報が送信される度にExcelなどのリストへ情報を手入力し、そのリストをもとにメールマガジンを送信する必要もあり、非常に多くの作業が必要です。

会員数の少ないうちはよいですが、人数が増加するに伴い作業の負担も増え、会員情報を把握しきれなくなったり、入力ミスなどの問題が生じたりするおそれもあります。

担当者が手一杯になってきているようであれば、システムの導入を検討するのもよいかもしれません。

会員制サービスの始め方

では、会員制サービスを始めるにはどのような手順でおこなえばよいのか、その方法をご紹介します。


ステップ① サービス内容を考える


まず、会員制サービスをはじめる第一歩として、どのようなサービスを提供するか、その内容を検討する必要があります。

通常、会員登録には情報をいくつも入力する手間があり、個人情報を提供しなくてはならないため、面倒だったりハードルを感じてしまったりするものです。

しかし、それを超えるメリット感があれば登録する気になるでしょう。そこで、サービス内容については、登録する価値があると感じさせるものであることが重要です。


ステップ② 価格を決める


サービス内容を決定したら、つぎはその価格を設定します。その際、金額がサービス内容と見合っていることが重要です。

有料サービスとして継続的に会費を支払ってもらうには、価格のおよそ5倍以上、魅力を感じる特典を提供するようにします。

独自性や専門性があり「そのサービスでしか得られない価値」を創出し、その魅力を伝えられれば、多少高額であっても会員になってもらえるはずです。


ステップ③ 課金してもらう方法を考える


価格を設定したら、どのような方法で課金してもらうのかを検討します。

たとえば、銀行振込や口座振替であればシステムを導入する必要がなく、半年払いや年払いなど一括まとめ払いにも対応できます。

その代わり、それぞれの会員が毎月しっかり支払っているのかを目視で確認し、リストに記録しておく必要があります。

もっとも面倒がないのは、会員管理システムや決済サービスを利用し、業者に代行してもらうことです。これであれば、クレジットカード払いにも対応でき、集金漏れがありません。


ステップ④ 会員を維持するための仕組み作り


会員が減れば当然ながら収益も減るため、ビジネスの開始前から会員を維持するための仕組み作りをしておくことも重要です。

たとえば、定期的に新規コンテンツを追加していくといった飽きさせない工夫、会員を継続すると特典がもらえるなど、会員であることにお得感をもたせ続けるのがポイントです。

そのためには、定期的にアンケートをおこなって会員の求めているサービスを検討したり、会員向けコミュニティを作ったりして、日々サービスを改善していくことが求められます。

会員管理におすすめのツール4選

会員の管理には、会員管理ツールを利用すると便利です。

会員管理ツールには、会員を一覧で確認できるだけでなく、登録フォームから自動でデータベースに情報を追加したり、集金したりするなど会員管理の作業を効率化できる機能が充実しています。

では、具体的にどのような機能を搭載したツールがあるのか、おすすめの製品とその特徴を4つご紹介いたします。

【PR】I’tHERO

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弊社が提供するI’tHERO(イッツヒーロー)は、現実社会をデジタル空間で再現させたヒーロー(仲間)が集うビジネスSNS(プラットフォーム)です。

SNSをビジネスで活用できるように、グループウェアとネットショップの機能を統合。非対面(デジタル空間)の中でも安心・安全・信頼の場を提供し、利用者に成功をもたらす一気通貫されたITツールです。

特徴

  • グループウェアとネットショップの機能を統合
  • 求めるスキルを持つ専門家とつながれる
  • ワンタッチで組織の切り替えが可能な横断システム
  • アプリ同士を連携させたことで処理が一気通貫でわかりやすい

MiiT+

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初期費用、月額利用料も無料で利用できるサービスです。会員情報の管理はもちろん、豊富な決済手段を利用でき、メール配信の機能もあります。

ファンクラブ、協会・学会、OB・OG会など幅広い導入実績があり、システム運用監視やWAFなどセキュリティ機能も充実しているため、安心して運用できます。

特徴

  • 利用料は無料、デモあり
  • CSVファイルで会員の一括登録と出力が可能
  • 会員検索で抽出した会員宛てに一斉メール配信が可能
  • 管理画面から支払いの有無を確認可能
  • WEB会員証や出欠管理など会員のサービス利用に役立つ機能もあり

シクミネット

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業界初の定額制、¥1,000からはじめられるリーズナブルな会員管理・入金管理のクラウドサービスです。会員管理、決済、イベント運営管理、3つの機能が連動します。

会員情報の管理機能ではオリジナルの管理項目を設置することもできて便利に一元管理でき、また決済と会員情報が自動で連動するため、集金漏れがありません。

特徴

  • 月額利用料は¥1,000~
  • 会員管理、決済、イベント運営管理の機能が連動して使いやすい
  • 支払情報も即時反映
  • イベントの作成や申込みの承認管理なども可能
  • メール一括配信のほか、開封状況なども把握できる

SmartCore

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会員管理と連動した会員制サイトを低コストでスピーディに実現できる、クラウド型 会員管理ソリューションです。

基本機能(コアシステム)にオプション機能をプラスして、最適な機能をカスタマイズできるのが魅力で、基本機能だけでも会員管理に役立つ機能が十分に充実しています。


特徴

  • 2週間無料トライアルあり
  • 会員アクセス数、管理者アクセス履歴、データ変更履歴などログ管理の機能もあり
  • サイトデザインの変更やコンテンツ管理も可能
  • ログイン認証・アクセス制御などセキュリティ機能もあり
  • 追加オプションでサイトの言語設定や事前登録などの機能を付加できる

まとめ

会員制ビジネスは、会員を増やし、会員として継続してもらうための施策や管理業務の面で苦労する場合もあります。

しかし、会員になってもらい、サービスに満足してもらえば継続利用してもらったり、マーケティングもおこないやすくなったりと、多くのメリットがあるのも事実です。

管理業務の負担が大きいようであれば、会員管理システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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2022.06.07 コラム

会員サイト構築のポイント

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DXの実現の条件と手段

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