DXが企業にもたらすもの
DXは企業へ次のような影響を引き起こしていると考えられます。
・強い製品、サービスの実現
・高い成長力と収益力
・デジタル投資の継続
・旧来の秩序の破壊(ディスラプター)
・世界中で使われるプラットフォームの提供
これらを実現し、デジタルテクノロジーの力で私たちの生活に大きな変革をもたらした、いわゆるDX先進企業がGAFAです。
GAFA
GAFAとは、アメリカのGoogle、Amazon.com、Facebook(現メタ・プラットフォームズ)、Appleの4社の頭文字をとって名付けられた造語です。「ガーファ」または「ガファ」と読みます。GAFAの手掛けるビジネスは、私たちが普段利用している様々なWebやIT関連サービスの基盤(プラットフォーム)となっています。各社強みとなるメイン事業は異なっていますが、インターネットを軸とした「検索」「ショッピング」「ソーシャルネットワーク」「携帯アプリケーション」などのプラットフォームを提供しており、人々の生活には欠かせないものとなっています。
強い商品、サービス
GAFAの商品やサービスは、DX実現に不可欠なAI、IoT、クラウドを積極的に使っています。
例えばgoogl検索。これは、世界中の膨大な情報から適切な結果を示すために、AIを最大限に利用しています。
AppleのiPhpneのSiri。これは、人間が話した言葉を理解する音声認識アシスタントで、AIそのものです。
このようにデジタルを駆使して、他社に真似できない強い商品、サービスを生み出しているのです。
桁違いの成長と継続投資
GAFAは、デジタルの力で自らを変える中で成長し続けています。下記は2020年のデータです。
企業名 | 売上高前年比 | 営業利益 | 営業利益率 |
---|---|---|---|
12.8%増 | 20.4%増(約4兆5300億円) | 22.6% | |
Amazon | 37.6%増 | 57.5%増(約2兆5200億円) | 5.9% |
21.6%増 | 36.2%増(約3兆5900億円) | 38.0% | |
Apple | 5.5%増 | 3.7%増(約7兆2900億円) | 24.1% |
経済産業省が2020年に発表した「2019年企業活動基本調査確報-平成30年度実績-」によると、日本企業の1社あたりで見た営業利率は3.7%に過ぎません。いかにGAFAが飛び抜けているかがわかると思います。
2020年の研究開発投資として、Googleは約3兆300億円、Facebookは約2兆300億円、Appleは約2兆600億円を費やしています。(Amazonは非公開)
このように営業利益の高さは経営への余裕を生み、継続した投資を可能にするのです。
デジタルディスラプター
デジタルディスラプターとは、クラウドやビッグデータ、IoT、AIなどのデジタルテクノロジーを活用することにより、既存の業界の秩序やビジネスモデルを破壊する企業やプレイヤーのことを指します。
Amazonによる書店や小売店への影響を考えるとわかりやすいでしょう。Amazonが進出することで、既存産業ビジネスにマイナスの影響が生じることを「アマゾンエフェクト」アマゾン効果と呼びます。
プラットフォームの提供
製品・サービスが広く利用される中で、生活やビジネスに不可欠なインフラのような存在になることをプラットフォームと呼びます。
利用者が億人単位のGAFAの商品やサービスはプラットフォームそのものです。
スマートフォンで提供されるアプリは、提供元のAppleやGoogle以外の企業や個人開発者によってアプリが増え、さらに利用者が増えていきます。AppleやGoogleは自らのプラットフォームで開発者に販売収入があれば手数料を受け取ります。このようにプラットフォームを提供できれば、収益力はもちろん競争力も高まるのです。