既存顧客の維持が重要な理由とは?維持するための施策やツールを紹介
自社の商品やサービスの利用者である、既存顧客を維持すること(カスタマーリテンション)は、企業にとって非常に重要です。
既存顧客への施策を行うことは、顧客離れの防止、顧客満足度アップ、新規顧客の獲得、売上の安定といった、マーケティングに大きく関係するものです。
すでにいるお客様と、より良い関係をキープするためには、効果的な方法が複数あります。今回は、既存顧客維持が重要な理由や維持するための施策を解説します。
自社の商品やサービスの利用者である、既存顧客を維持すること(カスタマーリテンション)は、企業にとって非常に重要です。
既存顧客への施策を行うことは、顧客離れの防止、顧客満足度アップ、新規顧客の獲得、売上の安定といった、マーケティングに大きく関係するものです。
すでにいるお客様と、より良い関係をキープするためには、効果的な方法が複数あります。今回は、既存顧客維持が重要な理由や維持するための施策を解説します。
なぜ、商品をすでに購入・利用したことのあるユーザーをキープし、再購入やサービスの継続をしてもらうことが重要なのでしょうか。
このような時代の変化もあり、今、既存顧客に自社商品を買い続けてもらうための施策が大きなポイントになっています。
既存顧客の維持には、次の4つのメリットがあります。それぞれ紹介します。
良い商品やおすすめのお店を見つけたら、人におすすめ・紹介したくなりますよね。
商品や企業に、既存顧客が高い満足度を持ち続けていると、口コミで新しい顧客が増えることが期待できます。
SNS利用者が多い現在は、周りの人だけでなく、世界中のより多くの人に良い評判が広まり、爆発的な新規顧客獲得の可能性を秘めています。口コミからの購入者の期待に応えるよう、高いサービスレベルをキープしましょう。
顧客の需要に合うアプローチやフォローを続けると、自社の根強いファンになってもらえることがあります。すると、高額商品や、他の関連商品も買ってもらいやすくなります。
単価の高い優良顧客を増やすために、既存顧客一人ひとりへの丁寧な対応が重要です。優良顧客のみの特典を作り、特別扱いするのもおすすめです。
LTV(Lifetime Value:顧客生涯価値)とは、顧客1人の取引開始~終了までに獲得できる利益のことです。
既存顧客のLTVをより多くアップさせることで、利益が安定します。「顧客維持率が5%上がると、利益が25%~95%増える」という結果も出ています。(ベインアンドカンパニーとハーバードビジネススクールによる合同研究結果)
「既存顧客の維持が重要視される理由」でも述べたように、新規顧客の獲得には約5倍のコストがかかります。
これは新しいお客様を得るまでに、広告や営業での集客・ヒアリング・提案・説明・契約といった段取りがあるためです。それぞれに、費用や人手が必要です。
特に、BtoBでの新規顧客の獲得は、商談・契約書の作成・担当者や連絡方法の確認など、様々なコストがかかります。
一方、契約経験のある既存顧客はそのような手間の発生は少ないです。さらに、アップセルやクロスセルが期待でき、新規よりも売上が上がりやすいメリットもあります。
既存顧客を維持するには、次の6つの方法が効果的です。
人はそれぞれ、好みや、過ごしている環境が異なりますよね。
そのため、全員に対して同じ内容のコミュニケーションを取るのではなく、個人個人の好き嫌いや状況に合わせた接触やおもてなしをするダイレクトマーケティングが有効です。
「この企業は私を、大勢の顧客のうちの1人ではなく、1人の人として見てくれている」と、既存顧客に思ってもらえるようにしましょう。
定期的なアンケートで、自社への満足度が高い既存顧客の数や、改善点を知っておきます。
自社へのロイヤリティーが高い、根強いファンかどうかを知るには、「この製品を知人におすすめしたいか」について、点数をつけてもらう質問(NPS)が有効です。
顧客の金銭状況・需要は変化します。定期的なアンケートやコミュニケーションを行い、顧客の最新の状況を把握すると、新商品の開発にもつながります。
アンケートを取るには、次のような方法があります。
購入後の定期的なアフターフォローを必ず行うと、信頼関係ができます。信頼関係は、続けて顧客でいてもらうための大きなポイントです。
新規顧客獲得のみに尽力するのではなく、既存顧客へのフォローもしっかり行います。特に、BtoBではアフターフォローが重要です。
購入後のお客様を放っておかず、2~3ヶ月おきくらいに、利用状況や困っていることがないかを聞き、不満があれば改善のための丁寧な対応を取りましょう。
顧客に、自社の商品を購入・利用し続けることにメリットを感じてもらい、リピーターでい続けてもらうための優良顧客向けの施策が、ロイヤルティプログラムです。
例えば、次のような取り組みがあります。
ポイントシステムなどは導入コストがかかりますが、システムによって費用は様々で、会員数などによることもあります。アプリでは、顧客ごとの購入金額がわかり、それに合わせた特典を付与できます。
ただし価格の割引については、むやみに行うと元の価格に戻しにくくなってしまうので注意してください。
「お得に買えた」と顧客に感じてもらうと、さらなる再購入や、より高額な購入を促しやすくなります。
2回目の購入をした顧客の54%は、その後また購入をするというMarket Wired社の調査結果も出ています。
そのため、割引コードつきのメールや、お店で使えるクレジット(購入したら100円分のポイントを付与等)をプレゼントしましょう。
割引率は、標準的な10%より高いほうが効果的です。割引によるリピート率があることを考えれば、10%以上の割引も損ではないと言えます。
次のような、顧客についての情報を、クラウド上に顧客データベースとして構築し、顧客情報を管理しましょう。
顧客データベースは、担当者だけでなく、営業からトラブル対応まで、関連する部署すべてで確認できるように共有し、顧客への確認の重複を防ぎます。
既存顧客でい続けてもらうために、このようなツールを使うと便利なので、効果を上げやすくなります。
CRMでは、年齢などの顧客情報をはじめとする、商談や購入の履歴・アプローチへの反応率など、マーケティングのあらゆることを可視化し、まとめて管理できます。
CRMには次の2種類があるため、それぞれの特徴に合わせて選んでください。
会員管理システムでは、住所などの会員情報をまとめて管理し、情報の整理がしやすくなることで、事務作業の効率化が可能です。さらに、マーケティングにも活用できます。
システムによって様々な機能があり、業務効率化、会員へのアプローチ、会員サイト構築など、それぞれの特色も異なるので、自社に合うものを選んでください。
低コストでの売上げアップが期待できる、既存顧客の維持は、企業が疎かにしてはいけない部分です。
特に、BtoBでの新規顧客の獲得は、コストが大きいため、既存顧客との信頼関係の強化が重要です。
顧客管理やシステムの導入は、専門家に相談するのもよいでしょう。売上を上げ続けるために、様々なサービスを駆使するのがおすすめです。