2025年の崖とDX

2022.06.23

2025年の崖

2025年の崖とは、2018年に経済産業省が発表した「DXレポート~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~」で使われている言葉です。
このDXレポートが国内企業のDXに対する関心を高めたといわれています。

DXレポートが指摘する問題

DXレポートでは、日本企業の利用するITシステムの多くが老朽化しており、このまま使い続けていると2025年に大きな問題が発生すると指摘しています。

システムが老朽化するにしたがって既存の情報システムの構造が不透明になり、管理しているデータを活用しきれなくなる。すると、システムの維持管理費が膨れ上がり、新規開発や新しい技術の導入などへの投資が遠ざかるだけでなく、セキュリティ面のリスクも生じるというものです。

このまま国内企業のDXが進まなければ、2025年以降予想される経済損失は、毎年最大12兆円にのぼると警告しています。

なぜ2025年なのかというと、多くの企業が利用する基幹システムの保守サポートの終了と、IT人材の不足が43万人にまで拡大するタイミングが重なるのが、2025年であるとされているからです。

2025年の壁対策

2025年の壁を避ける対策として経済産業省は、2021年~2025年を「システム刷新集中期間(DXファースト期間)」とし、経営戦略を踏まえたシステム刷新を経営の最優先課題として計画的なシステム刷新を断行するように提案しました。

これにより、実質GDP(国内総生産)を最大13兆円超も押し上げる効果があるといいます。




一部では、老朽化したシステムを刷新することがDXだと誤解されているところがあります。
DXとはデジタルを使って変革を実現することです。
正しくは、老朽化したITシステムの刷新は、DXの土台の一部が整ったということになります。

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