ネットショップを知ろう

2022.08.03

ネットショップのメリット・デメリット!実店舗との違いを解説

近年、無料で簡単にネットショップを開業できるサービスも続々登場しており、ネットショップの新規参入のハードルは非常に低くなりました。

ネットショップは誰でもはじめやすいという部分が魅力ではありますが、開業や運営していくうえで、当然ながらメリットとデメリットの両方があります。

では、具体的にどのようなメリットやデメリットがあるのか、また運営する場合の注意点についてもあわせて解説いたします。

ネットショップの市場規模

日本国内におけるネットショップ(EC)の市場規模の現状について、経済産業省のまとめたデータによれば、以下のような結果となっています。

image

このように、市場規模は2013年から7年以上も連続で増加の一途をたどっており、その数字も2倍以上に増えていることがわかります。

全商取引におけるECの市場規模が占める割合「EC化率」も同様に年々増加しており、市場としてまだまだ成長していくことが予想されています。

また、BtoC-EC市場規模および各分野の構成比率については、以下のような結果になりました。

2019年 2020年 伸び率
総計 19兆3,609億円 19兆2,779億円 ▲0.43%
物販系分野 10兆515億円 ( EC化率 6.76% ) 12兆2,333億円 ( EC化率 8.08% ) 21.71%
サービス系分野 7兆1,672億円 4兆5,832億円 ▲36.05%
デジタル系分野 2兆1,422億円 2兆4,614億円 14.90%

近年は物販系・サービス系が好調でしたが、2020年はコロナウイルス感染拡大の影響から飲食や旅行、チケットなどサービス系が大きく落ち込む結果となっています。

これと反対に物販系は巣ごもり需要の拡大から引き続き好調となり、前年を上回る伸び率となりました。

ネットショップと実店舗の違い

では、ネットショップと実店舗ではどのような部分が異なるのかについてご紹介します。

時間・場所


まずネットショップは時間・場所に縛られません。インターネット上で24時間365日オープンした状態にしておけて、顧客はいつでもどこでも購入できます。

発送や問い合わせの対応に関してのみ土日祝に休業するショップもありますが、基本的に顧客側はいつでもショップを閲覧し、購入行動を起こせます。

その点、実店舗は特定の場所、限られた営業時間のみ開店します。また、顧客がその時間内に都合がつき、足を運べる範囲でなければ商品を購入してもらえません。

とくに、ショッピングモールやビル内にある店舗の場合、集客の面では有利ですが、規定された営業時間しか開店できないという縛りもあります。

コスト


ネットショップの場合、開業や運営はサイトの運営費用が必要になります。開業の際に数万円~、固定費として数千円~が相場です。

ネットショップの作成は無料、売上に対して決済手数料が掛かる仕組みのサービスもあるため、これを利用すれば開業のコストを大きく抑えることもできます。

しかし実店舗の場合、1から店を構える必要があるため、テナント料や外装・内装の費用、什器などのコストが必要となり、開業に数百万円~、固定費に数十万円~掛かります。

接客


ネットショップの場合、顧客との注文や配送のやり取りはすべてサイト上の文面やメールの一方的なものだけで、通常、直接コミュニケーションは取りません。

電話やメールでやり取りをする場合もありますが、顔を合わせて顧客の様子を見るわけではないため、基本的にはショップ側からの一方的なやり取りとなります。

実店舗であれば、直接顧客と顔を合わせて接客するため、具体的にニーズを聞いてそれに合った商品を勧めることもできます。

また、度々来店してもらうことで顔なじみとなり、安心感や信頼感をもってもらうことで購買につながる可能性にも期待できます。

集客


ネットショップは、世の中にごまんとあります。そのため、開業したばかりはSEO対策やSNS、広告出稿などの手段を使わなければ集客が困難です。

一方、実店舗であれば、立地のよい場所やショッピングモールなどに開店すれば、自然と人の目に留まり、来店してもらいやすいです。

また、近所にチラシやクーポンなどを直接配布すれば、店舗の認知を広めて来店を促せるほか、気にいってもらえばリピーターとなる可能性もあります。

ネットショップのメリット・デメリット

つづいて、ネットショップを開業・運営する場合、実店舗と比較してどのようなメリット、デメリットがあるのかをご紹介いたします。

メリット


24時間どこからでも購入できる


ネットショップの最大の魅力といえるのが、購入者側が「24時間思い立ったとき、いつでもどこでも購入できる」ことでしょう。
実店舗のように、わざわざ店まで出向いてもらう必要がなく、また好きなタイミングで購入できることから、機会損失の防止にも効果的です。

開業コストが低い


実店舗を開業するには土地や什器の確保、外装・内装工事など、大きな初期コストが掛かります。また、毎月の賃料やテナント料、人件費も必要です。
その点、ネットショップはサーバー利用料などサイトの運営に必要な費用と、在庫管理・発送要員となる最少人数のスタッフがいれば運営できます。
サーバーによっては初期費用や月額費用の一部が無料になるところもあります。また、完全無料でネットショップを開設できるサービスもあります。

商圏が広い


ネットショップはインターネットに接続できる端末さえあれば日本全国のみならず、海外のユーザーにも販売がおこなえます。実店舗のように場所に縛られません。

顧客データを活用できる


実店舗の場合、各顧客の情報を把握するには、アンケートに答えてもらうなど直接、情報提供を求める必要があります。
その点、ネットショップは利用登録の際や注文時に個人情報を登録してもらう必要があるため、自然にデータ収集が可能です。
このような顧客データがあれば、たとえば購入履歴をもとにおすすめ商品を紹介したり、割引クーポンを配布したり、データを活用した効果的なマーケティングがおこなえます。
 

デメリット


つづいて、デメリットといえる部分についてもご紹介します。

対面接客ができない


ネットショップは通常、顧客と顔を合わせることはありません。商品のやり取りはサイトのシステム任せ、購入後の連絡もメールのみなど、一方的な連絡になりがちです。
対面接客であれば、顧客とのやり取りや表情でニーズを読み取ったり、ニーズを元に商品を勧めたり、関係性を作ったりできますが、ネットでは不可能です。
顧客との接点も作りにくいため、定期的にメールマガジンや誕生日クーポンなどを配信するなど、定期的に連絡して接点を作り、思い出してもらうことが重要になります。

商品の実物を見られない


ネットショップのユーザーは、商品を検討する際にサイト掲載の写真や商品情報だけを見て雰囲気をイメージすることしかできません。
このため、実際に購入したら思った色やデザインではなかった、といったイメージの不一致が生じる可能性もあります。
これを防ぐためには、あらゆる角度から撮影した写真や動画、実際の利用イメージ、口コミ機能など、よりイメージしてもらいやすい材料を掲載する必要があります。

商圏が広いため競合が多い


前述のように、ネットショップは日本全国のみならず、海外のユーザーも相手に販売できるため商圏が広いです。それゆえに競合が多いという点はデメリットといえるでしょう。
また近年、ネットショップを簡単に開業できるサービスも続々増えており、数多くの業種、企業が参入しているためさらに競合が多くなっています。
ほかでは扱っていない、独自の魅力的な商品があれば有利ですが、そうでない場合は競合との違いを際立たせる、見せ方を工夫する、といった努力が必要となるでしょう。

在庫管理や発送作業が多い


実店舗の場合、商品を直接手渡して在庫数をチェックしていけばよいですが、ネットショップの場合はさらに発送作業も必要となります。
また店舗や商品が話題になり、全国各地から発注があれば、発送作業も膨大な件数になるほか、複数のスタッフで在庫管理の最新状況をリアルタイムで共有する必要もあります。

Webマーケティングの知識が必要


ネットショップを開業しただけで、自動的に顧客が来てくれることはまずありません。人を呼び込むには、Webマーケティングが必要です。
具体的には、検索エンジンや各種メディアで広告出稿する、SEO対策やSNS運用をおこなうといった手段が挙げられます。
このようなマーケティングの実施にはある程度の知識や時間が必要で、また改善しながら継続的に運用していかなくてはなりません。

ネットショップを運営する際の注意点

ネットショップを運営する際、どのような点に注意が必要なのかについてもご紹介いたします。

特定商取引法に基づく表記


ネットショップで商品を販売する際、「特定商取引法」が適用されます。その場合、サイト内に「特定商取引法に基づく表記」を掲載することが義務づけられています。
掲載すべき内容としては、おもに次のような項目が挙げられます。

  • 企業名
  • 所在地
  • 連絡先
  • 返品、交換の方法
  • 送料
  • 支払の時期、方法
  • 引渡し、提供期間 など

検索すると「特定商取引法に基づく表記」のサンプルやテンプレートが掲載されていることがあるので、これらを参考にするとよいでしょう。

お問い合わせへの対応


顧客が商品の返品やキャンセル、クレームなどを連絡できる、お問い合わせ窓口も必要不可欠です。

サイト内に問い合わせ専用の電話番号やメールアドレスを掲載したり、よくある質問をまとめたり、メールフォームを設置するとよいでしょう。

商品に応じた販売許可の取得


サイトで取り扱う商品のカテゴリーによっては、販売許可の取得が必要となる場合もあります。

たとえば、中古品を取り扱うのであれば古物商許可が必須です。申請には、管轄の警察署に必要書類を提出しなくてはなりません。

食品を取り扱う場合、食品衛生法に基づく営業許可、食品衛生責任者の資格などが必要となる可能性もあります。管轄の保健所に問い合わせて確認してください。

このように、どの販売許可が必要になりそうなのか調べ、またすぐに許可が下りないこともあるため、開業前に余裕をもって申請しておくのがおすすめです。

まとめ

新型コロナ感染拡大によってネットショップの市場規模は大幅に拡大しており、実店舗にはない強みを持っています。

ネットショップというと複雑な仕組みだと思っている方がいますが、要点をおさえておけば難しくありません。今は便利なツールが増え、低コストで気軽に始められる環境が整っています。

実店舗以外での商品販売を考えている方は、ネットショップを検討してみてはいかがでしょうか。

img
2022.08.31 コラム

DXがもたらす変革

img
2022.08.03 コラム

ネットショップの比較

記事一覧に戻る