DX実現の前提条件と実現手段
DXが実現する社会の前提条件とは、「高機能なデバイスが広く普及し、高度な技術が日常的に使われる」というものです。また、DXが実現する手段は「IT、とりわけインターネットとソフトウェア、データ、センサーの組み合わせで違いを生み出すこと」が重要としています。
スマートフォンの普及が前提条件
総務省の「令和3年通信利用動向調査」によると、令和3年9月時点でスマホの個人保有率は74.3%となっています。日本だけで9,000万人以上の人が日常的にスマートフォンを使っている計算となり、指紋認証や顔認証といった技術も当たり前に使われています。
20年、30年も前であれば、スーパーコンピューターといわれたようなものが手元にあることになります。
スマートフォンが普及した今だからこそ、私たちはDXを実現することができるのです。
(令和3年通信利用動向調査の結果より)
インターネット、ソフトウエア、データ、センサーの組み合わせで実現
私たちがスマートフォンで利用しているサービスやアプリの大半は、インターネットの向こう側に大量のコンピューターとデータを置いて、ソフトウェアで分析したり加工する「クラウド」を使って実現しています。
「AI(人工知能)」は、アルゴリズムと呼ばれるソフトウェアのプログラムが実態です。AIはアルゴリズムによる加工や分析に加え、これまで人間には出来なかった判断や予測を可能にしています。
AIのようなソフトウェアによる高度な分析に必要なのがデータです。
データの収集では、モノのインターネットを意味する「IoT(インターネット・オブ・シングス)」が大きな力を発揮します。IoTはモノであるセンサーで計測した情報をインターネット経由で集めます。IoTがあれば、入力する手間もなくデータ収集し、簡単にネットの向こう側に送ることができます。
IoTはデータ収集以外にも、遠隔操作や自律操作を可能にします。
データの分析結果をもとに、課題解決のための施策を立案やビジネスの意思決定などを行う業務プロセスを「データドリブン」といいます。IoTやSNSによって大量のデータが集まり、AIが実用化されることでデータドリブンが適用できる領域が広がったのです。
これからもインターネットとソフトウェア、データ、センサーの組み合わせが新たなビジネスやサービスを実現する原動力となるでしょう。