新規顧客獲得とリピーターを増やす施策

2022.07.08

新規顧客を獲得する際のポイントと手法!リピーターを増やす施策も解説

ビジネスにおいて、既存顧客の維持は重要な課題ではありますが、さらに企業や組織を成長させるためには、同時並行で新規顧客の開拓も必要不可欠です。

では、新規顧客を獲得するにはどのような手法があるのか、また獲得するうえで押さえておきたいポイント、リピーターになってもらうための施策とあわせて解説いたします。

新規顧客の獲得が必要な理由

これまでに商品やサービスを購入してもらい、良好な関係を築けていた既存顧客を一定数抱えていても、その人たちがいつまでも利用し続けるとは限りません。

日々、さまざまな商品やサービスが登場するなかで、自社製品よりも安く、優れたものが出てくれば、顧客がそちらに流れてしまう可能性は大いにあるでしょう。

どのような企業であっても、解約率をゼロにすることは不可能です。だからこそ、つねに新規顧客の獲得をおこなわなければ、収益も次第に下がっていってしまいます。

新規顧客の獲得には営業コストも掛かりますが、その顧客をリピーターにできればそれ以上のリターンをもたらす存在になり得ます。

また、収益の拡大だけでなく実績やノウハウの蓄積、またそれに伴う営業力や競争力の向上など、多方面でビジネスの成長をもたらします。

このような点からも、新規顧客の獲得は必要不可欠といえるのです。

新規顧客を獲得する際のポイント

新規顧客を獲得するにはどのようなポイントを押さえたうえで施策をおこなうべきか、ご紹介いたします。

ターゲットを明確にする

どの集客方法であっても、新規顧客を獲得するには、まずターゲットを明確にする必要があります。

たとえば、あまりデジタルに馴染みのない世代がターゲットであればアナログな手法が効果的ですし、若い世代がターゲットなら、動画やSNSを利用するのもよいでしょう。

このように適切なアプローチ方法を検討するため、自社の商品・サービスは誰に向けたものか、どのような属性の顧客がよく購入しているのかをもとに、ターゲット像(ペルソナ)の作成も有効です。

ペルソナの作成に必要な属性情報


  • 年齢
  • 性別
  • 地域
  • 職業
  • 家族構成
  • 趣味 など

これらの情報をできるだけ細かく設定することで、誰を相手にすればよいかが定まり、軸がぶれにくくなります。

過去の事例を参考にする

新たな集客方法を採り入れるのもよいですが、これまでにどのような方法で新規顧客を獲得できていたのか、自社や同様のケースにおける他社の過去の事例も参考にします。

事例の分析をおこない、時代や現在の状況にあわせて内容や方法をアップデートすることで、より高い確実性のもとで新規顧客の開拓が可能になります。

ターゲットへのメッセージを作成する

ターゲットが決まったら、その属性にあったメッセージを作成します。Webマーケティングではコピーライティング、営業の場合はトークスクリプトなどと呼ばれるものです。

どの集客方法においても、なにを伝えたいのかが明確で、それをメッセージで伝えられなければ、購買意欲を刺激することができません。

ターゲットはどのような課題や悩みを抱えていて、その商品・サービスでどう解決できるのか、なにが魅力なのか、分かりやすい言葉で作成してください。

メッセージを作成したあとも、実際に営業活動をおこなうなかで、相手の反応や自分の気づきをもとに日々内容をアップデートしていくとさらによいでしょう。

ターゲットにアプローチする

実際にアプローチをおこなう際は、のちほどご紹介する「新規顧客の獲得方法」などをもとに、各ターゲットに最適な方法を選択します。

新規顧客の獲得率を高めるには、顧客の特徴や自社の予算にあわせて、複合的にアプローチするのがよいでしょう。

ヒアリング・提案を行う

顧客がどのような悩みや課題を抱えているのか、どのようなニーズがあるのか、などをヒアリングすることも非常に重要です。

当然ながら、顧客は自身の課題を解決できる商品やサービスを検討しており、解決に役立つものでなければ購入してもらいにくいです。

また、相手の話を聞かずに宣伝ばかりしては拒否反応を示されるおそれもあります。

その点、顧客の課題を把握できれば、いかに課題解決に役立つかを具体的に説明して提案できるほか、ミスマッチとなった場合でも新商品のアイデアとして役立てられます。

新規顧客の獲得方法

新規顧客を開拓し、獲得するには次のような方法があります。

オウンドメディア

オウンドメディアとは、サイトやブログ、パンフレットなど企業が情報発信に使う媒体のことです。このうち、Webマーケティングのもっともポピュラーな手法がサイト運営です。

令和2年に実施された総務省の調査によれば、じつに9割以上の企業が集客のためにサイトを運営していると回答しました。

サイトで情報発信をしていけばSEO対策にも有効で、検索エンジンからアクセスを獲得できるほか、サイトを気に入ったユーザーが度々訪問し、そこから商品やサービスの契約につながる可能性もあるでしょう。

YouTube

最近は調べものや娯楽などで日常的にYouTubeを視聴する人も増えており、YouTubeや動画を用いた集客は時代に即した方法といえます。

とくに動画は、文章とは違い文字や映像を使ってより多くの情報量を短時間で具体的に伝えられるため、漠然とした課題を抱える潜在顧客に対して有効です。

ただ、知りたい情報が明確な潜在顧客にとっては、知りたい情報にすぐたどり着けなかったり、動画の時間が長すぎたりすると途中で離脱してしまう可能性はあります。

Web広告

Web広告には、おもに次のような種類があります。

リスティング広告


検索エンジンで特定のキーワードを検索したユーザーに対して、検索結果のページで広告を表示するものです。

検索した内容に関連のあるサイトをピンポイントで表示するため、調べものをしていてクリックするユーザーに期待できます。出稿するキーワードの検索ボリュームで費用が変動します。


ディスプレイ広告


GoogleやYahooで掲載依頼をおこない、サイトトップや関連サイトにおいて画像または動画バナーの広告を設置してもらうものです。

利用者の多いサイトのため、商品やサービスなどを多くの人に広く認知してもらうのに効果的です。表示するユーザーの属性でターゲティングもできます。

リターゲティング広告


サイトの訪問者を追跡し、別のサイトでも同じ内容のバナー広告を表示するものです。購入するか悩んでいるユーザーにくり返し表示することで、後押しする効果があります。

アフィリエイト広告


広告を配信する企業(ASP)に依頼してサイト運営者に商品やサービスを紹介してもらうものです。報酬支払いの条件や金額は自社で決定できます。

サイト運営者が魅力的に宣伝することで、ただ広く宣伝するより説得力の増す効果があります。ただ、サイト運営者が紹介したいと思える魅力、紹介するメリット感が必要です。


SNS広告


SNSに登録されている性別や地域など属性データをもとにターゲティングし、特定の条件のユーザーにピンポイントで表示できる広告です。

SNS

TwitterやLINEなどのSNSで企業もしくはサービス名を冠した公式アカウントを作成し、集客をおこなう企業も増えてきています。

役立つ情報を発信したり、ユーザーに直接返信して交流を図ったりして距離を縮めてファンになってもらい、企業やサービスに愛着をもってもらうことで新規顧客の獲得につなげることが可能です。

投稿頻度が低いと見てもらいにくいため、定期的に投稿する手間や内容を検討する必要がありますが、うまくいけば拡散されて多くの人に見てもらえます。

展示会・セミナー

展示会やセミナーなどのイベントで名刺交換をしたり、商品やサービスを紹介したりすることで新規顧客を開拓する方法もあります。

名刺交換をすれば相手の電話番号やメールアドレスを獲得でき、また向こうもある程度興味をもって訪れているため、早めのアプローチが効果的です。

ダイレクトメール(DM)

ダイレクトメールは顧客に対して直接、手紙でお知らせを送付する方法です。郵送のため、確実に相手のもとに届けられます。

ただし、ひと目で宣伝と分かるものや、自分に無関係な内容であると思われれば読んでもらいにくくなるため、ダイレクトメールと分からないように見せるのがよいでしょう。

メルマガ

自社やサービスに関する最新情報、役立つニュースなどを配信するメールマガジンを発行し、購読してもらうことで新規顧客を獲得する方法です。

メールアドレスや個人情報の登録というハードルを越えたユーザーに訴求できるため、心理的距離が近く、ターゲットが内容を確認する確率が高いのが特徴です。

属性にあわせたメールやクーポンなどを定期的に配信することで顧客を育成し、1回限りの購入者ではなく、リピーターとなるように促すこともできます。

テレアポ

テレアポは電話番号のリストがある場合、手軽におこなえる営業手段です。直接話すため、メールマガジンやダイレクトメールより相手の記憶に残りやすいです。

テレアポ代行業者を利用すれば業務の効率化もできます。相手の課題を解決できる商品、サービスであれば効果的でしょう。

ただし、電話は相手の時間をいただく必要があり、求めていない内容であった場合はアポイント獲得まで至らないことも多いです。

プレスリリース

プレスリリースとは、企業の最新情報を報道機関に向けて発信し、メディアで取り上げてもらう手法のことです。うまくいけば世間に広く知れ渡り、大きな集客効果に期待できます。

ただし、報道する内容はメディア側が大量の情報のなかから選び取るため、かならず取り上げてもらえるわけではありません。

運も必要ですが、思わず報道したいと思わせるような、ニュース性のある斬新な内容であることも重要です。

新規顧客をリピーターにするための施策

獲得した新規顧客がサイトやサービスを気に入り、リピーターになってもらうには、次のような施策の実施が効果的です。

定期的にアプローチする

商品やサービスのことを印象づけ、思い出してもらうには、定期的なアプローチにより接触回数を増やすことが有効です。

初回購入時に、次回の購入で使用できるクーポンを配布したり、定期的にメルマガでキャンペーン情報などを配信したりすれば、定期的な購入やサイトへの訪問を増やせます。

メルマガ送信の際も、特定の商品を購入した人をセグメントすることで、顧客にとってよりニーズにあった有用な情報を提供できます。

また、商品の到着後1週間、1ヶ月など、リピートにつながりそうなタイミングでのフォローメール送信も重要です。

リピーター限定のサービスを実施する

多くの場合、人は特別扱いされることを好みます。そこで新規購入時だけでなく、リピーターを優遇する限定サービスを実施すれば、再度購入の促進につながります。

たとえば、リピーター限定の特別イベントや限定クーポンの配布、購入金額に応じてポイントを付与し、支払いに利用できるなどの制度を設けるといった方法があります。

リピーターでいるメリットを感じられれば、顧客は継続して購入してくれるようになるでしょう。

コミュニティを作る

購入したユーザーが意見交換できるコミュニティを用意すれば、リピーター同士のつながりができ、愛着をもってもらいやすくなります。

また、コミュニティに上がる意見を参考にすれば、自社商品やサービスに対する要望や改善点、新商品のアイデアを得ることもできます。

顧客の声を聞く

顧客の要望やクレームは、リピーター獲得にもつなげられる貴重な意見です。それを改善すれば、さらによい商品、サービスにブラッシュアップできます。

基本的に顧客はクレームがあっても店舗に伝えず、そのまま利用しなくなることが多いです。

しかし、直接意見を伝えてくるということは、改善すればリピートしたい意思をもっている可能性があります。クレームに対しては真摯に対応しましょう。

顧客の声を聞くために、定期的にアンケートやレビュー投稿を依頼すれば、さらに多くの意見を集めることができます。

新規顧客の獲得に役立つツール

最近は、サイトに訪問した見込み顧客を自動でリストアップしたり、アプローチを効率化したりするさまざまなツールが登場しています。

新規顧客の獲得に役立つツールについて、どのようなものがあるのか、特徴とあわせてご紹介いたします。

MA(マーケティング・オートメーション)

MAとは、マーケティング活動を自動化するツールです。

メールアドレスなどのリストや、サイト訪問者のデータをリードとして管理し、そのユーザーの行動履歴などから興味や熱量をスコアリングする機能があります。

また、ユーザーの興味関心にあったメールマガジンの配信、バナーの表示、チャットによるお問い合わせなども設置できるため、顧客の育成に効果的です。

主な機能

  • リード管理
  • スコアリング
  • メールマーケティング機能
  • キャンペーン管理
  • お問い合わせフォーム作成支援
  • ランディングページ作成支援

SFA(営業支援ツール)

SFAとは、顧客情報や案件情報、商談開始から受注に至るまでの進捗状況など営業活動に必要なデータを蓄積し、活動の管理や分析ができるツールです。

営業活動の管理や分析、業務の一部を自動化できるほか、AIによる確度の高い顧客への適切なクロージングのタイミングを指示する機能があります。

主な機能

  • 案件管理
  • 顧客管理
  • 行動管理
  • 売り上げ予測
  • スケジュール、タスク管理
  • 見積り作成

CRM(顧客管理ツール)

CRMとは、顧客の連絡先や購入履歴、商談の状況などの情報を分析し、それぞれの顧客に最適な営業活動をおこなえるツールです。

ツール上で顧客データを一元管理できるため、管理業務の効率化を実現し、従業員への共有もスムーズになります。

主な機能

  • 顧客管理
  • 顧客分析
  • メール配信機能
  • セミナー開催管理
  • 問い合わせ管理

まとめ

新規顧客の獲得方法として、次のような手段をご紹介しました。

・オウンドメディア
・YouTube
・Web広告
・SNS
・展示会・セミナー
・ダイレクトメール
・メルマガ
・テレアポ
・プレスリリース

アナログな営業手法として、かつてはテレアポやダイレクトメール、飛び込み営業などがおこなわれてきましたが、最近はデジタルなアプローチ方法が増えています。

これまでと異なる集客方法への転換が難しいようであれば、ツールを利用することである程度は業務を自動化・効率化できるため、これらを利用して開拓していくのもよいでしょう。

いくら優れた商品、サービスであっても、顧客が認知しなければ購入してもらうことはできません。さまざまな方法を試して、自社にあった方法を見つけてみてはいかがでしょうか。

img
2022.07.07 コラム

ノウハウを共有して仕事もスムーズ!

img
2022.07.09 コラム

ビジネスで必要な機能を1つに実現!

記事一覧に戻る